通信制高校のタイプ別ガイド|子供に合う学校の選び方

ADHD娘の子育て

通信制高校を調べ始めると、数の多さに驚きます。全国に200校以上あると言われる通信制高校ですが、自宅から通える範囲で絞っても都市近郊だとまだまだ数が多く、資料請求する学校を絞るだけでも頭を悩ませます。

ある通信制高校に見学へ行った時のことです。案内して下さった先生の説明がとても分かりやすかったので、今回はその先生の説明をもとに、我が家の体験も交えながら学校の選び方をご紹介したいと思います。

通信制高校は「高校」と言っても実は学校によってタイプがまったく違います。「うちの子にはどこが合うんだろう」と迷った時、まずタイプ別に整理して考えると選びやすくなります。

専門学校タイプ


メイク・ゲーム・アニメ・声優・ファッション・音楽・ペットなど、専門的な分野を学べるコースが充実しているタイプです高校の必修科目に加えて、それぞれ興味のある分野を学べるのが特徴で、外部から専門の講師が来て授業をすることが多く、業界のプロから直接学べるのが最大の魅力です。

娘が選んだのがこのタイプでした。娘はペットのコースを選び、そこで運命の先生に出会いました。その先生との出会いが、今の娘の将来の方向性を決めたと言っても過言ではありません。「好きなことを仕事にしたい」という気持ちが芽生えたのも、この学校がきっかけです。

やりたいことがある程度決まっている子には、学校に通うモチベーションにもなります。また、同じことに関心のある子が集まるので、友達や仲間ができやすいのも嬉しいポイントです。

息子が高校を探していた頃、ちょうどeスポーツが世の中に広まり始めた時期でした。息子はオンラインゲームにハマっていたため、eスポーツのコースがある学校に見学へ行くことにしました。

先生は元プロゲーマーや元プロチームスタッフなど、外部の専門家が多く、eスポーツという比較的新しい分野だからこそ若い先生が多い印象でした。上級生も大会出場経験があるなど、活気のある雰囲気でした。蛍光色のライトで装飾された格好いい部屋に、ゲーミングPCとチェアが何十人分もセットされている学校。施設にはエナジードリンクが常備されていて、eスポーツ業界らしいなと思ったのを覚えています。

あくまで私たちが見学した一部の学校の話にはなりますが、設備の規模は学校やキャンパスによってかなり差がありました。

学校のパンフレットに『eスポーツコース新設!』とあっても、通える距離のキャンパスにあるのは2人分のゲーミングPCのみ。それをみんなで順番で使用。パンフレットにあるような設備が揃っているのは都内のキャンパスだけ。という場合もあります。

また、注意したいのは「必ずしも好きなゲームができるとは限らない」という点です。学校によって扱うゲームタイトルが決まっていることが多く、息子がハマっていたゲームとは違いました。見学やオープンキャンパスで事前に確認することをおすすめします。

娘の学校探しの時、当初ペットコースは念頭に無くメイクのコースを見学していたのですが、同様に設備は学校やキャンパスによって差がありました。施設が充実している=学費に反映されるということも念頭に置きつつ…

実際に自分が通うであろうキャンパスの設備や講師、カリキュラム、専門性が高い分卒業後就職する可能性も高いと思いますので、卒業後の就職率と就職先なども確認すると良いでしょう。

大学進学・予備校タイプ

大学受験を目指す子向けに、学習サポートが充実しているタイプです。塾のような授業スタイルで、進学実績を持つ学校も多くあります。トライ式高等学校など、学習塾が運営しているケースもあります。

「通信制高校に行くけど、大学は目指したい」「進学した高校には馴染めなかったけど、勉強は大好き」という子にとっては、心強い選択肢です。全日制高校に通いながら塾に行くよりも、費用を抑えられることもあります。

これは学校によると思いますが、息子は特に進学コースを選択しませんでしたが通常選択する授業に受験対策の授業があったり、高校3年時には『受験対策コース』が別途開講され(別料金)塾の講師が教えてくれました。そして、卒業式の頃には進学先が公開されていましたが、国公立大学や有名私立大学に進学しているお子さんが大勢いました。

勝手なイメージかもしれませんが、成績が良く最初から偏差値の高い学校を目指しているご家庭の中には、通信制高校に対して少し距離を置いている方もいるように感じます。大人だけでなく子供自身も「まさか我が子が、まさか自分が、通信制高校に通うなんて」という感覚を持っている方はいるでしょうか。

でも私はこう思うのです。出身高校は名札みたいに一生ぶら下げていくものではありません。今いる高校が合わないなら、「高校は通過点」と割り切って、早く自分に合った環境でスタートを切る方がずっと合理的だと思っています。

通信制高校の大学進学実績は、偏見を持っている方が想像する以上に充実しています。環境を変えることをためらっている親御さんに、ぜひ一度調べてみてほしいなと思います。

 

高卒資格取得重視タイプ

とにかく登校日数を最小限にしたい子向けのタイプです。月数回、あるいは年に数日のスクーリングのみで卒業を目指せる学校もあります。

スポーツで全国、いや世界を舞台に活躍しているアスリート、すでに社会人として働きながら高卒資格を取りたいと思っている方、芸能活動をしている子など、通学が難しい事情がある子の選択肢として最適なタイプです。

そして「人が怖い」「病気で体力が落ちてしまい、今は外出が難しい」そんな状態の子の、最初の一歩としても向いています。息子が通い始めた時期はまさにこの状態でした。週1日から始めて、ゆっくりと登校日数を増やしていきました。

焦って登校日数の多いコースを選ぶより、まず「通える」状態を作ることの方がずっと大切だと、息子を見ていて感じました。

 

グローバル・留学タイプ


英語教育に力を入れていたり、留学プログラムを持っていたりする学校
です。通信制高校の中にも、短期・中期・長期とさまざまな留学機会を用意している学校があります。

息子は中学生の頃から海外への憧れがあり、留学プログラムのある学校を進学の条件にしていました。候補を3校まで絞り込み、こんな観点で選びました。

ひとつ目は、留学斡旋業者を通すタイプは外したこと。業者経由の留学は他校や普通校の生徒と一緒になることが多く、新しい出会いがあって良いという見方もできます。ただ当時の息子は近所のコンビニにも一人で行けないほどの状態でした。積極的にコミュニケーションが取れる子たちの中に飛び込んでいけるかという不安があり、候補から外しました。これはその子の状態によるところが大きいので、一概にデメリットとは言えません。

ふたつ目は、留学中の単位認定があることを確認したこと。候補の中に、留学中に現地で受ける授業が単位としてカウントされない学校がありました。その学校の先生には「難しい内容ではないので大丈夫ですよ」と言っていただきましたが、高校卒業に必要な必修科目は出国前と帰国後にまとめて履修し、長期留学の場合は必須の対面授業(スクーリング)のために一時帰国が必要になるケースもあると説明されました。長期留学の可能性は低いとしても、勉強が得意ではなく英語力も十分ではない息子には単位を落とすリスクが高いと判断し、この学校は候補から外しました。

最終的に選んだのは、留学するのが全国のキャンパスから集まった同じ高校の生徒で、出国・帰国時には先生が引率してくれて、現地にも同校の先生が駐在している学校でした。似たような境遇の仲間と一緒に、バックグラウンドを理解している先生のサポートのもとで海外に行けるという安心感が決め手になりました。

留学プログラムを検討する際は、学校が主体となって運営しているか、一緒に留学する仲間は誰か、留学中の勉強が単位として認定されるか、現地でのサポート体制はどうか、といった点を確認しておくことをおすすめします。

学校生活重視タイプ

制服があって、部活や学校行事も充実している、「通信制だけど高校っぽい生活をしたい」子向けのタイプです。クラーク記念国際高校などがこれにあたります。

不登校を経験していても、「部活を頑張りたい」「友達を作りたい」「文化祭や修学旅行を経験したい」という気持ちがある子には合いやすいです。毎日通学するコースも選べるので、全日制に近い感覚で通えます。

実際にオープンキャンパスへ行くと、在校生が案内や説明をしてくれることが多いのですが、みんな学校生活を心から楽しんでいる様子で、見ているこちらまで明るい気持ちになりました。積極的にオープンキャンパスのサポートに参加している姿がとても印象的で、ほんの1、2歳しか違わないのに、ずいぶんしっかりしているなと感じました。

実は不登校でしたと言っていた子が、こんなふうに生き生きと過ごしているのを見ると、「この子たちもそれぞれの事情を乗り越えてここにいるんだな」と胸が熱くなりました。通信制高校に対するイメージが、見学に行くたびに良い意味で変わっていきました。

このタイプの学校は、通信制の自由度を持ちながらも「高校生らしい思い出を作りたい」という願いを叶えてくれる場所だと思います。体力的・精神的に少し回復してきた子、人と関わることへの意欲が戻ってきた子には、ぜひ候補として見学してみてほしいタイプです。

 

IT・起業・クリエイター系タイプ


N高等学校・S高等学校、ルネサンス高校などがこれにあたります。オンライン中心で通学が少なくてもOK。プログラミング・動画制作・ゲーム・起業など、現代的なスキルに特化したコースが充実しています。学校の雰囲気も新しくスタイリッシュで、若い先生が多い印象です。

学校という環境にマイナスな印象を持っている子であれば、N高等学校のようなベンチャー企業のおしゃれなオフィスのような空間に驚くでしょう。

N高はドワンゴが運営していることもあり、ニコニコ動画やYouTubeなどのクリエイター文化との親和性が高く、好きなことを仕事にしたい子にとっては夢のような環境です。通学コースを選べば仲間もでき、全国各地にキャンパスがあります。自由度が高い分、自分のペースで突き進める子には本当に向いている学校だと思います。

これは私のリテラシーの問題かも分かりませんが、ゲームが好きならプログラミングにも興味があるかもと思ってしまったのは大きな勘違いでした(笑)子供に人気のマインクラフトならプログラミングに興味があるかも分かりませんが、息子が好きだったのはオンラインゲーム。プログラミングに関心は示しませんでした。

ただ、オンライン中心の環境では、サポートの距離感がその子次第になりやすい部分があります。自発的に動ける子には最高の環境ですが、活発な雰囲気に圧倒されやすいタイプの子には、馴染むまで時間がかかることもあるかもしれません。見学や個別相談で「日頃のサポート体制」を確認してからコースを選択すると安心です。

実は娘が最初に進学したのが、このタイプの学校でした。娘が転校することになった経緯については、また別の記事でくわしくお話しします。

 

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どのタイプが合うかは、今の子供の状態と、子供が何を求めているかによって大きく変わります。「今は外に出るのが精一杯」という子と、「やりたいことがある」という子では、選ぶべき学校がまったく違います。

パンフレットだけで判断せず、実際に見学や個別相談に行くことをおすすめします。同じ学校でもキャンパスによって雰囲気がかなり違うので、資料請求の次のステップとして、ぜひ足を運んでみてください。先生との関わり方やサポート体制、見学時に確認しておきたいチェックポイントについては、次の記事でお話しします。

 

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