通信制高校を選ぶ時、学校のタイプやカリキュラム、学費は調べやすいのですが「実際の先生ってどんな人?」「勉強についていけるか心配」「見学の時に何を確認すればいいの?」という部分はパンフレットではなかなかわかりません。もちろん相談会で先生の方から詳しい説明はありますが、前もってチェックリストがあると聞き漏らしもなく、後から比較検討する際にスムーズです。
この記事では、性別も特性、性格もまったく異なる姉弟の経験をもとにお伝えします。複数の学校を見学し、実際に通わせてきた中で感じた先生との関わり方やサポートのリアル、そして見学時に確認しておきたいチェックポイントをまとめました。我が家は専門学校タイプと留学プログラムのある学校を中心に探していたため、その視点が多めになっています。大学進学タイプや高卒資格重視タイプを検討している方は、ご自身の条件に合わせてアレンジしてみてください。
学び直しへの対応について

不登校経験者を多く受け入れている学校では、入学時に学力チェックを行い、中学、場合によっては小学校レベルから個別に対応してくれるところが多くあります。
「長いこと勉強から離れていたから、授業についていけるか心配」という親御さんは多いと思います。実際、娘も学習障害LDの影響で中学時代は授業についていけない部分がありました。前の記事でも書きましたが、通信制高校ではパソコンで動画を見ながら回答を選択して提出するスタイルが多く、書くことが苦手な娘にも無理なく学習できる環境が整っていました。
私立通信制高校のサポートは手厚く、先生が個別に学習計画を立ててくれる学校もあります。一方、公立の通信制高校は比較的自学自習スタイルが基本で、サポートは薄めの傾向があります。
先生との距離感と、サポートのリアル

通信制高校でよく見られるのが、職員室がなくオープンな作りになっているという特徴です。先生の顔がすぐに見える環境なので、登校するたびに自然と挨拶が生まれます。話しかけるのが難しい子でも、挨拶だけなら案外できた、という声はよく聞きます。
各学校もサポート体制には力を入れていて、例えばクラーク記念国際高校は全教員がカウンセラー資格を持っています。KTCおおぞら高等学院は担当の先生が合わなければ変更できる仕組みがあります。定期的な面談もほとんどの学校で設けられています。
ただ、登校日数が少ないコースだと、どうしても先生との距離が縮まりにくいのが実情です。面談という限られた時間の中で、日々の小さな悩み事を打ち明けるまでにはいかないのも現実です。
日常のちょっとした会話の積み重ねが子供の心を開いていくことも多いので、登校頻度とサポートの手厚さはある程度比例すると思っておいた方がいいかもしれません。
娘の経験で言うと、最初に話しかけられたのは受付の方でした。先生ではないけれど、気軽に話せる存在がいたことで少しずつ学校に慣れていきました。そこから好きな授業の先生とも話せるようになり、やがて高圧的な先生が一人もいないことに気づいて、先生への恐怖心が少しずつ和らいでいったようです。
息子の場合は少し違いました。担任の先生はいましたが、登校日数が少ないコースだったため学校の滞在時間も短く、授業で関わりのある先生の数も限られていました。そのため、困ったことがあっても声をかけられないまま何日も経ってしまうことがありました。
それでも、少人数だからこそ生まれた出会いもありました。普通校にはなかなかない語学の授業があり、日によっては先生と息子の1対1になることも多く、その先生との出会いが息子の大学進学の方向性を決めるほどのきっかけになりました。
サポートの手厚さは、学校の仕組みだけでなく、子供の状態や登校日数にもよるところが大きいと感じています。仕組みに任せきりにするのではなく、上手に活用する・頼る、そんな気持ちを持てると、学校との関係がぐっと心強くなると思います。
見学・説明会で確認しておきたいチェックポイント
実際に見学や説明会に行く前に、確認しておきたいポイントをまとめました。パンフレットではわかりにくい部分を中心にリストアップしています。
学費について
- 本校・キャンパス・コースそれぞれの費用の内訳は?
- 就学支援金を差し引いた実質負担額はいくら?
- サポート校を併用する場合の総額は?
- コースを変更した場合、学費は変わる?
スクーリング(対面授業)について
- 本校スクーリングはある?場所はどこ?宿泊が必要?
- スクーリングの日数・頻度は?
- オンラインで参加できるスクーリングはある?
サポート体制について
- 困った時はどうやって先生に相談できる?
- 担任の先生との面談の頻度は?
- 先生が合わなかった場合、変更はできる?
- 不登校・発達障がいの生徒を指導した経験がある先生やカウンセラーはいる?
留学プログラムについて(希望する場合)
- 留学は学校主体?それとも斡旋業者経由?
- 留学中の授業は単位として認定される?
- 一緒に留学するのは同じ学校の生徒のみ?
- 現地に学校の先生は駐在している?
- 留学に必要な英語力の目安は?初級レベルでも在学中に留学できる機会はある?
- 留学期間はどれくらい?短期・中期・長期の選択肢はある?
コース・カリキュラムについて
- 興味のある専門コースは今後も継続予定?
これは特に確認しておきたい質問です。娘が1年生の夏休みの面談で、進もうとしていたコースが翌年からなくなると初めて知りました。私立高校は、良く言えば機動力があり時代に合わせてすぐに動ける分、コースの新設・廃止が早い学校もあります。確認したとしても状況が変わることはありますが、少なくとも現時点での継続予定は聞いておくと安心です。
- 登校日数は後から変更できる?
- 中学レベルからの学び直しに対応している?
- 当日になって登校できなかった場合、オンラインなどで授業に切り替えることは可能?
- 学校行事の参加は必須?それとも任意?
キャンパスの雰囲気について
- 1クラスの人数は何人?
- 単位制の場合、学年の違う子が一緒に授業を受けることはある?
- 制服は必須?私服・ヘアカラー・ピアスなど服装はどこまで自由?
- 昼食はどこで食べている?食堂やカフェテリアはある?お弁当派と買った物を食べる派どちらが多い?
先生・スタッフについて
説明会や見学に行くと、キャンパス長や熱い思いを持った先生が登壇して話してくれることが多く、「この先生がいるなら」と入学の決め手になることもあります。ただ、入学のタイミングや在学中に異動でいなくなってしまうことも少なくないようです。実際に友人から「入学の決め手になった先生がいなくなってしまった」という話を聞いたことがあります。素敵な先生との出会いは大切にしつつ、特定の先生だけに期待しすぎず、学校全体の雰囲気や仕組みで選ぶという心構えも持っておくといいかもしれません。
パンフレットや資料だけでは伝わらないことが、見学に行くと肌で感じられます。「この学校なら通えそう」と子供自身が感じられるかどうかが、最終的に一番大切な判断基準だと思っています。
